用語解説コーナー 血が滾舞台用語辞典



マチネ/ソワレ(まちね/そわれ)
2012.04.26 OA


舞台用語の中では比較的、お客様も耳にする機会の多い用語「マチネ」と「ソワレ」。 元はフランス語で「matinee = 朝・午前」「soiree = 夕方・陽が暮れた後」という意味。これが舞台で使われるようになって、現在では「マチネ=昼公演」「ソワレ=夜公演」として使われています。 昼夜二回公演の事を省略して「マチソワ」って言い方もしますね。
「今日はソワレだけ?」「いや、今日はマチソワ」みたいな。血が滾では日本語で「昼公演」「夜公演」と呼ぶ事が圧倒的に多いですけど。

でもなんでフランス語なのか、よくわからないんですよね。
西洋演劇が日本に入ってきた明治期に、あちらで馴染み深かった用語がそのまま定着したのかとも思うのですが、 英語圏ではマチネ・ソワレという言い方はあまりしないようですし(アフタヌーン・イブニングと言うそうです。本当かどうかは知りませんが、ソワレは通じてもマチネは通じないとかいう話も)。
普通の演劇よりはミュージカルによく使われるようなので、そちらが由来なんでしょうか。 あるいは、バレエだとフランス語由来の用語が多いですし(マチネ・ソワレももちろん使われます)、そちらから演劇方面に流れてきたのかも。
フランス語がなぜどういう形で入ってきて定着したのか、もしご存知の方がいらっしゃったら教えてください。

さて、マチネ・ソワレは客席の反応も違うと言われています。特にウィークデーのマチネは時間の自由が利く主婦や学生、定年を迎えた方が多く、ソワレは仕事帰りの社会人が多くなります。 そうなると、舞台が全く同じ出来だったとしても、客席の反応としてはマチネの方が大きくなる傾向があるようです。 生のお芝居を楽しむためには、受け手の側にも心理的・体力的な余裕が必要ですから、仕事帰りに急いで駆けつけた方よりは昼にゆったり観にいらした方の方が大きな反応を返すだけの余裕があるのかもしれませんね。

基本的には、時間帯が違うだけで同じ演目であるマチネとソワレですが、マチネ料金は通常料金より若干安い価格に設定されている場合があります。マチネ(特にウィークデーのマチネ)は仕事をしている方は なかなか観に来れないため、客席も空席が目立ちがちです。そのため、少しでも多くのお客さんに観に来てもらえるように料金を下げるのです。

また、ミュージカルなどではマチネには(ソワレではベテランが演じている役に)代役を立て、若手を出演させて経験を積ませるケースもあります。 この場合、ソワレと比べると少々経験の浅い役者が出てくる事になるわけですから、その分安く観ていただく事になるわけです。 お客さんにとっては安く楽しむ事が出来、役者にとっては出演の機会が増えるやり方ですね。
有名な劇団だと、例えば劇団四季などは、この「安いマチネ料金」を導入していますので、機会があればチェックしてみてください (マチネ全てが安いわけではなく、あくまでも劇団側が設定した日時を安くしているという事なのでご注意を。チラシ、HPなどのタイムテーブルにマチネ料金の表示があると思います)。

マチネとソワレ、両方見比べてみるのも面白いかもしれませんね。


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